ミヤラヒメヘビ

Calamaria pavimentata miyarai Takara, 1962

爬虫綱>有鱗目>ヘビ亜目>ナミヘビ科>ヒメヘビ属>ナガヒメヘビ>ミヤラヒメヘビ

概要

[大きさ] 

  • 全長 30 – 35 cm

[説明]

  • 与那国島のみに分布する日本固有亜種
  • 湿潤な林内に生息し、石や倒木の下などで見つかる
  • ミミズを専食する
  • 和名と亜種名は基準標本を採集した宮良孫好氏への献名

[保全状況]

  • 環境省レッドリスト2020:絶滅危惧Ⅱ類
  • 沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物:絶滅危惧Ⅱ類
分布

[分布]

  • 与那国島

[生息環境]

  • 湿潤な常緑広葉樹の自然林や二次林のみに生息する。
分類

[分類]

  • 爬虫綱>有鱗目>ヘビ亜目>ナミヘビ科>ヒメヘビ属>ナガヒメヘビ>ミヤラヒメヘビ

[タイプ産地] 

  • 与那国島[6]

[説明]

  • 東南アジアから東アジアにかけて広く分布するナガヒメヘビCalamaria pavimentataの与那国島亜種
  • 1962年に亜種として記載された[6]が、その後Ingerらはそれを否定し、ミヤコヒメヘビ(C. pfefferi)を含めどちらも単にナガヒメヘビC. pavimentataとして扱うべきとした[1]。しかし、太田はタイワンヒメヘビ C.p.formosana、ミヤコヒメヘビを含めた比較を行い、ミヤラヒメヘビは少なくともタイワンヒメヘビとは別亜種とすべきとしている[3]。
体の特徴

[形態][4][6]

  • 頭部は小さく頸部と太さがほとんど変わらない。
  • 体鱗列数は13枚でキールはない。
  • 体色は赤褐色で各体鱗に暗褐色の細い模様がある。
  • 腹面は橙黄色で各腹板の基部に黒褐色の横紋がある。
  • 尻尾の先は尖り、裏に黒褐色の縦線がある。
生態

[食性]

  • ミミズのみを食べると考えられる[2][6]

[行動]

  • 基本的に夜行性と考えられ、道路脇の側溝に落ちて死んでいる個体がしばしば採集されるが、昼間に活動中の個体も確認されている[5]
その他

[コメント]

  • ヒメヘビ属は東南アジアで大きな多様性を誇るグループですが、そんな異国情緒溢れるヘビが日本に生息しているとはなんて素晴らしいことなのでしょうか。

執筆者:福山伊吹


引用・参考文献

1. Inger, R. F., and H. Marx. 1965. The systematics and evolution of the Oriental colubrid snakes of the genus Calamaria. Fieldiana Zoology, 49, 1–304. 

2. Mori, A. and H. Moriguchi. 1988. Food habits of the snakes in Japan: A critical review. Snake 20(2): 98-113.

3. 太田英利. 1982. ミヤラヒメヘビ (Calamaria pavimentata miyarai) の死体拾得の報告, およびタイワンヒメヘビ(Calamaria pavimentata formosana), ヒメヘビ (Calamaria pfefferi), との比較. The Snake, 14, 40-43.

4. 太田英利. 2014. 環境省(編)レッドデータブック2014 —日本の絶滅のおそれのある野生生物— 3爬虫類・両生類. (株)ぎょうせい, 東京.

5. 太田英利・外間善雄. 1996. ミヤラヒメヘビの生体の発見. Akamata, 13, 10-12.

6. 高良鉄夫. 1962. 琉球列島における陸棲蛇類の研究. 琉球大学農家政工学部学術報告 (9), 1-202.

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