Hebius vibakari danjoensis (Toriba, 1986)
爬虫綱>有鱗目>ヘビ亜目>ナミヘビ科>ヒバカリ属>ヒバカリ>ダンジョヒバカリ
概要
[大きさ]
[説明]
- 長崎県男女群島の男島のみに生息するヘビ。
- 本土に広く分布するヒバカリの亜種。
- ミミズを捕食する。
- 分布は局所的だが、生息地での個体密度は高いとされる。
[保全状況]
- 環境省レッドリスト2020:情報不足
- 長崎県レッドリスト平成22年度改訂版 : 準絶滅危惧種
- 生息地の男女群島全体が天然記念物として保護されている。
分類
[分類]
- 爬虫綱>有鱗目>ヘビ亜目>ナミヘビ科>ヒバカリ属>ヒバカリ>ダンジョヒバカリ
[タイプ産地]
[説明]
- ダンジョヒバカリは1968年にヒバカリHebius vibakariとして報告された。その後、本種は台湾などに分布するザウテルヘビHebius sauteriとされた[4]。
- 1986年に分類学的な見直しが行われ、ヒバカリの亜種として記載された[4]。
体の特徴
[形態][1][3][4]
- 背面は茶色で黒褐色の斑点が散らばる。腹面は淡褐色。
- 首元に白色の斑紋がある。
- 尾はオスで全長の30%程度。
- 体鱗列数は頸部で19列、胴中央部で17列。
[似た種との違い][4]
- 生息地の男島に生息するヘビ類は本種のみであり、現地で他種と間違えることはない。基亜種ヒバカリとは、尾がより長いことや腹板数が少なく(ヒバカリで145–153、ダンジョヒバカリで127–134)尾下板数が多い(ヒバカリで62–78、ダンジョヒバカリで88–89)ことなどで見分けられる。
生態
[食性]
- 野外ではミミズを捕食する[2]、飼育下ではミミズに加え、男島には分布しないオタマジャクシも捕食することが知られている[1]。
[繁殖]
- 7月に飼育下で1卵を産んだ記録がある[1]。一腹卵数は1または2 [3]。
その他
[コメント]
- 生息地の男女群島全体が天然記念物として保護されているため、個人で見に行くことは不可能なヘビです。日本のヘビで最も見るのが難しい種かもしれません。いつの日か見てみたいですね。
執筆者:福山伊吹
引用・参考文献
- 江頭幸士郎・中原亭・岡本卓・栗山武夫. (2020). ダンジョヒバカリの現状について. 爬虫両棲類学会報. 2020(1), 93–94. (講演要旨)
- 松尾公則. (2005). 長崎県の両生・爬虫類. 長崎新聞社, 長崎.
- 太田英利. (2014). ダンジョヒバカリ. p. 84. In: 環境省(ed.), レッドデータブック2014 —日本の絶滅のおそれのある野生生物— 3爬虫類・両生類. (株)ぎょうせい, 東京.
- Toriba, M., (1986). Preliminary Study on the Systematic Status of a Danjo Islands Snake. Jpn. J. Herpetol., 11(3), 124-136.