Xenopus laevis (Daudin, 1802)
両生綱 > 無尾目 > ピパ科 > ツメガエル属 > アフリカツメガエル
概要
[大きさ]
[説明]
アフリカ原産の外来種 兵庫県、大阪府、和歌山県、静岡県、千葉県、神奈川県、鹿児島県で定着が確認されている 水生 後肢の指に発達したツメをもつ 実験動物として利用される カエルツボカビの媒介者といわれている
分布
[分布]
兵庫県(淡路島)、大阪府(堺市)、和歌山県(鳥の巣半島)、静岡県(浜松市)、千葉県(利根川下流)、神奈川県(厚木市)、鹿児島県(さつま町)で定着が確認されている[1, 3, 4, 5, 6, 7] 神奈川県厚木市の個体群は駆除活動によって激減している[4] 原産地はアフリカのサハラ砂漠より南であるが、現在は世界各地で定着が確認されている[3]
[生息環境] [3]
低地のため池や湿地など止水に生息する 一生を水中で過ごす水生のカエルである
分類
[分類]
両生綱 > 無尾目 > ピパ科 > ツメガエル属 > アフリカツメガエル
[タイプ産地]
[説明]
種小名の”laevis “は滑らかなの意味 タイプ標本はパリ自然史博物館にあるとされたが、現在は行方不明[3] ピパ科は無尾目の中でも比較的初期に分化した、祖先的な分類群である[3]
体の特徴
[形態]
体は扁平で、頭部は長さより幅のほうが大きい 背面は茶色~灰褐色と黒のまだら模様をもつ。腹面は白色である 体側に顕著な側線系をもつ 舌を持たない 前肢の指はほぼ同じ長さである。水掻きはない 後肢は短いが非常に太く、水掻きが発達し、第1~3指には黒い角質のツメを持つ
[似た種との違い]
生態
[移動分散]
基本的に水中で生活するものの、降雨などの影響で周囲が冠水した時や干ばつ時には長距離移動することがある[9]
[食性]
両生類、魚類、水生昆虫や甲殻類などの節足動物、貝類などを捕食する[2, 3, 4] 本種は舌がないため、前足を使ってエサを口の中に掻き込む
[繁殖]
繁殖期は不明だが、寒季を除き周年であると思われる[3]
[卵]
卵径1.0-1.3mm。蔵卵数は500~3,000個(最大30,000個)で、1個または不完全な卵塊を水中の石や植物などに産み付ける[3]
[幼生]
全長は最大で6.7cm[3] ナマズの幼魚のような見た目をしており、1対の髭を持つ 水中では上・中層を群れを成して泳ぎ、植物プランクトンを食べる[3]
幼生
手足の生え揃った幼生
その他
[その他]
各地で駆除活動が行われている 世界各地のカエルに大被害を与えたカエルツボカビの媒介者といわれているが、現在でも世界中で実験動物として利用されている[8] 環境省の要注意外来生物、環境省・農林水産省の生態系被害防止外来種(総合対策外来種)
執筆者:高田賢人
引用・参考文献
荒尾一樹・北野忠. 2006. 静岡県浜松市で確認されたアフリカツメガエル. 爬虫両棲類学会報 2006(1): 17-18. Measey, G. J. 1998. Diet of feral Xenopus laevis (Daudin) in South Wales, U.K. Journal of Zoology 246: 287-298. 松井正文・前田憲男. 2018. 日本産カエル大鑑. 株式会社文一総合出版, 東京. 272pp. 松本涼子・諏訪部晶・苅部治紀 2020. 神奈川県厚木市中萩野地区で捕獲されたアフリカツメガエルとウシガエルの胃内容物について. 神奈川県立博物館研究報告自然科学 49: 85-99. 光岡佳納子・戸田光彦・高橋洋生・谷村就盛・小賀野大一・小林頼太. 2011. 利根川下流域における外来生物アフリカツメガエルの生息状況. 爬虫両生類学会報 2011(1): 50-51. 岡田滋. 2019. アフリカツメガエル 九州初の定着. 九州・奄美・沖縄の両生爬虫類. 九州両生爬虫類研究会編. 東海大学出版, 神奈川: 218-219. 堺市環境局. 2021. 堺市の生物多様性保全上考慮すべき野生生物 堺市レッドリスト 2021・堺市外来種アラートリスト 2021 ガイドブック. 堺市環境局編. 堺市環境局, 大阪. 29pp. Weldon, C., Preez, L.H., Hyatt, A.D., Muller, R. & Spears, R. 2004. Origin of the amphibian chytrid fungus. Emerging Infect. Dis. 10(12): 2100–5. Lobos, G. & Jaksic, F.M. 2005. The ongoing invasion of African clawed frogs (Xenopus laevis) in Chile: causes of concern. Biodivers. Conserv. 14: 429–439.