クサガメ

Mauremys reevesii Gray, 1831

爬虫綱 > カメ目 > イシガメ科 > イシガメ属 > クサガメ

概要

[大きさ] 

  • 最大背甲長:オス20cm, メス30cm[9]

[説明]

  • 背甲は暗褐色で3本のはっきりしたキールがある
  • 背甲後縁は滑らかで鋸歯状ではない
  • 背甲の甲板の境界には黄色い線があり、腹甲の甲板はそれぞれ黄色く縁どられている
  • イシガメは山麓の水系を中心に分布するのに対し、クサガメは平地の水系に分布する
  • エビ類、貝類、昆虫類、魚類、水草、藻類などを食べる
分布

[分布]

  • 日本列島、韓国、中国
  • 久米島(沖縄諸島),喜界島(奄美諸島)は定着しているかは不明[7]

[生息環境]

  • イシガメが山麓の水系を中心に分布するのに対し、クサガメは平地の水系に分布している[10]
分類

[分類]

  • 爬虫綱 > カメ目 > イシガメ科 > イシガメ属 > クサガメ

[タイプ産地] 

  • 中国

[説明]

  • 外来起源である可能性が高い[1][3]。
  • クサガメの日本列島集団には遺伝的に異なる3系統が存在する。
  • それぞれの系統が持つミトコンドリアDNAの塩基配列は、国外のクサガメのものと、完全にまたはほぼ一致することがわかっている。
  • それぞれの系統は朝鮮半島、中国大陸の2つの集団が起源であると推定されている[1]。
  • 江戸本草書の記載から18世紀後半に移入されたと考えられている[3]。
  • 二ホンイシガメとの交雑が報告されている[11]。
体の特徴

[形態]

  • 背甲は暗褐色で3本のはっきりしたキールがある。背甲後縁は滑らかで鋸歯状ではない。
  • 背甲の甲板の境界には黄色い線があり、腹甲の甲板はそれぞれ黄色く縁どられている。
  • 頭部の側面から頸部および咽頭部には黒い縁取りのある鮮やかな黄色の模様がある。これらの黄色い部分は老齢化するにつれて褪せてくる。
  • 高齢オスのオスは黒化する[8]。
生態

[食性]

  • エビ類
  • タニシやモノアラガイ目などの貝類
  • ハエ目、チョウ目、トンボ目、クモ目などの昆虫類
  • 魚類の断片
  • イネ目
  • 水草の茎
  • 糸状藻類[4][6][12]

[繁殖]

  • 6月から7月にかけて地面に穴を掘って産卵する。子ガメは翌春4月5月に地面から出てくる。
  • 1回の産卵数は4~11個で、年に1~2回産卵する。2回産卵の場合、その間隔は約1か月である[2]。
その他

[コメント]

  • イシガメに比べると目が怖いが可愛い
  • ”臭い”カメというほど臭くはない

執筆者:工藤葵
このページは一般社団法人Beansさまの支援により作成されました。


引用・参考文献

  1. Dai Suzuki, Hidetoshi Ota, Hong-Shik Oh, and Tsutomu Hikida. 2011. Origin of Japanese Populations of Reeves’ Pond Turtle, Mauremys reevesii (Reptilia: Geoemydidae), as Inferred by a Molecular Approach. Chelonian Conservation and Biology 10: 237–249.
  2. 深田祝・石原重厚. 1974. クサガメの孵化時期. 爬虫両棲類学雑誌 第5巻 第3号 : 45-47
  3. 疋田努・鈴木大. 2010. 江戸本草書から推定される日本産クサガメの移入. 爬虫両棲類学会報 2010(1) : 41-46.
  4. 三根佳奈子・谷口真理・箙洸太郎・亀崎直樹. 2014. ミシシッピアカミミガメとクサガメの消化管内容物分析. 亀楽 8.
  5. 日本爬虫両棲類学会. 2017. 日本産爬虫両生類標準和名リスト. <http://herpetology.jp/wamei/index_j.php>, 参照 2018-02-03.
  6. 野田英樹・鎌田直人. 2004. 淡水性カメ類の個体群特性と食性の関係. 爬虫両棲類学会報 2004(2) : 102-113.
  7. 侵入生物データベース , 参照 2018.11.7
  8. Takashi Yabe. 1994. Population structure and male melanism in the reeves’ turtle, Chinemys revesii. Japanese Journal of Herpetology 15(4): 131-137
  9. THE REPTILE DATABASE , 参照 2018.11.7
  10. 矢部隆. 2006. 外来のカメ類の野外での定着の実態 (< 特集> 愛知学泉大学コミュニティ政策研究所第 13 回シンポジウム 「さらわれるカメ, 捨てられるカメ, 殺されるカメ-愛玩動物とコミュニティ-」). コミュニティ政策研究, 8:47-57.
  11. Yasukawa Y, Kemezaki N and Ichikawa N. 1992. On hybrids between Mauremys japonica and Chinemys reevesii [in Japanese]. Japanese Journal of Herpetology 14 (4): 206-207
  12. 湯橋翔・太田英利. 2014. 淡路島に生息する淡水性カメ類3種の食性. 爬虫両棲類学会報 2014(1) : 45-46(講演要旨)

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