ツシマアカガエル

Rana tsushimensis Stejneger, 1907

両生綱 > 無尾目 > アカガエル科 > アカガエル属

概要

[大きさ] [4]

  • 体長 3–4.5 cm

[説明]

  • 対馬に固有の小型のアカガエル。琉球列島に分布するリュウキュウアカガエルやアマミアカガエルと近縁。繁殖期はふつう1–4月。

[保全状況]

  • 環境省レッドリスト2020:準絶滅危惧種(NT)
分布

[分布]

  • 対馬

[生息環境][4]

  • 平地から丘陵地に棲む
分類

[分類]

  • 両生綱 > 無尾目 > アカガエル科 > アカガエル属 > ツシマアカガエル

[タイプ産地] 

  • 対馬

[説明]

  • 学名のtsushimensisは「対馬産の」という意味。
  • 琉球列島に分布するリュウキュウアカガエルやアマミアカガエルと近縁[5]。形態的にもそれらに似る[4]。
体の特徴

[形態][3]

  • 背面の体色は褐色。頭部側面には明瞭な黒褐色の斑紋を持ち、上唇の白い縁どりが目立つ。
  • アカガエル属としては小型で、細身な体型をしている。背側線は鼓膜の後ろで軽く折れ曲がる。オスも鳴のうを持たない。

[似た種との違い]

  • チョウセンヤマアカガエル|チョウセンヤマアカガエルはツシマアカガエルと同じく対馬に固有のアカガエル。成体であれば大きさが異なるが、判断に迷うこともある。以下の点が識別に役立つ。[6]
成体の体長指先鼓膜の直径
ツシマアカガエル小さい(3–4.5 cm)わずかに膨らむ眼の直径の半分ほど
チョウセンアカガエル大きい(5–8.5 cm)膨らまない目の直径の2/3以上
ツシマアカガエル
チョウセンヤマアカガエル
生態

[捕食]

  • ツシママムシに捕食される。[4]

[繁殖]

  • 繁殖はふつう1月中旬から4月。しかし初夏にも繁殖が観察されるようになってきているという。[2,4]
  • 水田や溝、湿地、池、水溜まりなどの浅い止水域に産卵する。[1,4]

[卵][4]

  • 蔵卵数は400–500個。球形に近い卵塊を産む。

[幼生]

  • 体色は褐色で、腹側では金色の斑点が散るように見える。背中には黒褐色の1対の斑紋をもつ。[4]
その他

執筆者:木村楓
2024年1月 執筆・公開


引用・参考文献

  1. 倉本満・角田雅美・斉田美佐子. 1971. アカガエル類における胚の温度耐性. 爬虫両生類学雑誌 4: 1-4.
  2. 竹中践. 2014. ツシマアカガエル. 環境省(編). レッドデータブック 2014.
  3. 松井正文. 2016. 日本のカエル 分類と生活史. 誠文堂新光社.
  4. 松井正文. 2018. 日本産カエル大鑑. 文一総合出版.
  5. Yuan, Z., W. Zhou, X. Chen, N.A. Poyarkov, Jr., H. Chen, N. Jang-Liaw, W. Chou, N.J. Matzke, K. Iizuka, M. Min, S.L. Kuzmin, Y. Zhang, D.C. Cannatella, D.M. Hillis, and J. Che. 2016. Spatiotemporal diversification of the True Frogs (Genus Rana): A historical framework for a widely studied group of model organisms. Systematic Biology 65: 824–842.
  6. カエル探偵団(編). 2020. 見つけて検索! 日本のカエルフィールドガイド. 文一総合出版.

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です