Plestiodon japonicus (Peters, 1864)
爬虫綱 > 有鱗目 > トカゲ科 > トカゲ属 > ニホントカゲ
執筆者:柳原諒太朗
引用・参考文献
- 岡本卓. 2021. トカゲ属, 日本爬虫両棲類学会(編), 新 日本両生爬虫類図鑑. サンライズ出版: 132–141.
- Okamoto, T., & Hikida, T. 2012. A new cryptic species allied to_Plestiodon japonicus_(Peters, 1864)(Squamata: Scincidae)from eastern Japan, and diagnoses of the new species and two parapatric congeners based on morphology and DNA barcode. Zootaxa, 3436(1): 1–23.
- 関慎太郎. 2018. 疋田努(監). 野外観察のための日本産 爬虫類図鑑 第2版. 緑書房: 88–89.
- 環境省. 日本のレッドデータ検索システム日本のレッドデータ検索システム (jpnrdb.com). 参照 2023–05–06..
- 滋賀県. 「滋賀県で大切にすべき野生生物(滋賀県版レッドデータブック)2020年版」選定種リスト. 参照 2023–04–25.
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- 広島県. 絶滅のおそれのある野生生物(「レッドデータブックひろしま2021」). 参照 2023–04–25.
- 香川県. 香川県レッドデータブック2021. 参照 2023–04–25.
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- Okamoto, T., Kuriyama, T., Eto., K., Hasegawa, M. 2021. A Preliminary Study of the Morphological and Ecological Characteristics of Plestiodon japonicus (Scincidae, Squamata) on the Danjo Islands, Western Japan. Current Herpetology 40(2): 182–189.
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- 岡本卓, 栗田和紀, 徳田龍弘, 竹内寛彦. 2022. <特集:日本産爬虫類両生類の分布を巡って> 日本産トカゲ・陸生ヘビ類の地理的分布の概要といくつかの話題. 爬虫両棲類学会報 2022(2): 273–293.
こんにちは。トカゲが大好きな小学2年生です。
家でニホントカゲを5匹飼っていますが、1匹がヒガシニホントカゲにみえます。前額板が離れています。しかし、先生のWEB図鑑では離れているニホントカゲもいる、のですよね。徳島にはヒガシニホントカゲがいる可能性はありますか?教えていただければ嬉しいです。
質問ありがとうございます。
回答ですが、徳島にはヒガシニホントカゲは分布しておりません。日本におけるヒガシニホントカゲの分布は大雑把には近畿より北の地域となります。
四国の徳島県は近畿より南の地域なので、ニホントカゲになります。おそらく、前額板が離れているのはその個体の特徴だと思われます。
以下に詳しく解説いたします。
ヒガシニホントカゲ(Plestiodon finitimus)が新たに記載されたのは2012年のことであり、記載論文内でヒガシニホントカゲとその近縁種との主要な形質の違いが述べられています。図鑑で取り上げた前額板の配置の違いはそのうちの一つです。特にヒガシニホントカゲ(青森県の八甲田山の個体を除く)で前額板が離れているものは、ヒガシニホントカゲであると遺伝的にわかっているものの87%であり、ニホントカゲで前額板が接しているものは65%であったことが報告されています。裏を返せば、ヒガシニホントカゲは八甲田山の個体群を除いて、約13%の個体で前額板が接しており、ニホントカゲでは約35%の個体が前額板が離れているということになります。したがって、今回の質問していただいた徳島県の個体はニホントカゲで、前額板が離れている約35%のうちの1個体、ということになると思われます。見つけられたのは少しラッキーだったのかもしれませんね。
トカゲが大好きということで、今後もトカゲのことをじっくり観察してあげてください。応援しています。